毎日ヒマなときはいっつもネットに浸かってしまい、何もできなくなるので、今日はパソコンをそれほど立ち上げずに、部屋で音楽をかけて読書に没頭しましたよ。久しぶりにね。

一番読みやすそうだったこちらから読み始めました。

国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)

そんで、先ほど読了しました。読みやすかったほんとに。講演会の内容を本に起こしたタイプのやつです。そういう本好きなのね。

日本でもこの本が売れる、支持されるってことは、まだこの国も捨てたもんじゃないな、と思えた一冊。よかったですよ、純粋に。面白かった。

まあ、市場原理主義に傾倒してしまっている日本に警鐘を鳴らす内容です。もっと品格を持て、と。たしかになーと頷ける部分が多かった。どちらかというと理屈こねで、哲学科の友達から「何か忘れてる」と言われたことまであるあたしにとっては、こういうタイミングでこの本に出会えてよかったなーと思えましたですね、はい。

論理と情緒。その対比について、ずっと語られていますわね。大きなテーマとしては。情緒というか、惻隠、思いやりみたいなもの。

これを吹っ切ってしまえば、逆に世界はラクなんだろうけれど、それで人類が幸せになるわけではないんですな。たしかにちょっと考えればわかることだった。うん。どっちかに傾倒するのはやっぱりよくないんだね。バランスが大事。

ここまで市場原理主義が来て、やっぱり揺れ戻しが来ると思うよ。今のマスコミ見てると腹は立つけど、ホリエモンのことでもそうでしょう。今揺れ戻しが来てる。そのときに言えよって感じだけどね、実際のところは。

論理だけでは成り立たないわね、やっぱり。どこから見るかで結果がかわってきてしまう。

論理、というのは言葉をかえていろいろ出てくる。効率主義、というのもその周辺を表してる。まあ情緒ってのも言い換えてみれば不便な部分みたいな感じかな。

自分なりに考えてみた。

たとえばね、CDあるでしょ、あれについてる機能で、頭出しとかって便利よね。あとは、i podみたいな製品。好きな曲だけ入れて勝手にシャッフルしてくれたりとか。

昔ってカセットとかだったじゃん。レコードとか。あれには頭だしなんてなかったわね。

頭出しができるようになると、好きな曲を一発でかけられる。すぐに見つけ出せるから、あんまり気に入らない曲なんかすぐすっ飛ばせるようになりますわな。当然それをしますわな。それは決められた時間で、好きな曲だけ聴けるから便利なんです。確かに。それは事実。

でも、不便ながらもレコードやカセットを垂れ流しにしてると、あれ、この曲、あんまり好きじゃなかったけど、こういう天気の日に聴くと案外しっくり来るなあ、とか、実はよく聴けばいいじゃん、とかそういう発見があったり、嗜好に出会えたりする。

これが、論理と情緒みたいなもんです。あくまであたしの中でのたとえね。

やっぱりたまに情緒的なものも見直さないと、人間として大事なものを確かに忘れがちになる。お金は確かにあたしも大好きだし大切なものではあるけれど、人として幸せな人生を築くために必ずしも必要なのはお金だけではない。たかが経済。

著者は数学者なので、たまに賛同しかねるような意見もありますし、くどい、と思うこともあります。今ひとつ矛盾してるところもあるような気がするし、わかりやすい文章で書いてはいますがちょっと理解しづらいところもあります。武士道とかのくだりは、あたしも話半分くらいにしか読んでないし。自分の中に根付いてないからね、あんまし読んでもピンとこないし、そりゃ極端だろうってところもある。
あんましまた「心の時代!」とかってひどく揺れ戻し来ても、それはそれで信用できないしね。でも、ああ、まあ一理ある、つーか、ちょっと確かにおかしかったよなあ、ってことは伝わりました。

まあでも、おすすめしますよ、あたしは。これを読んでもなんとも思わないやつはねえ、もう非国民です!w出てって!wタイトルはこんなガチガチっぽいやつですけど、中身はほんとさらっと読めます。活字ちょっと…って人でも読みやすいはず。

2月中に読むべき本は2冊になりました。10日で2冊。うん、いけるはず。サクサク読んでいきたいと思います。

ちなみにBGMにはずっとクラシックのピアノ曲をかけていました。ラヴェル、リスト、ドビュッシーあたりをね。歌詞のない音楽はいいです、こういうとき。気持ちよかった。でもやっぱり、弾きたい曲好きな曲弾ける曲になると、目の前に楽譜イメージが思い起こされてしまうのでちょっとアレでしたがw