「因縁」が祝祭になった夜 THE YELLOW MONKEY SUPER BIG EGG 2017

誰に取っても「鬼門」という場所はある。
あるいは、忘れられない「因縁の地」。
東京ドームはまさに、イエローモンキーファンにとっても、
彼ら自身にとっても、そういう場所だった。

113本のツアーでボロボロになり、バラバラになりながら
苦悩して新曲を立て続けにリリースし
無理を押して新たな挑戦をして、アルバムを作った。

そしてようやく、この「バンド」という呪縛から解放される
「最後の地」として選んだのが、当時まだ今ほどロックバンドの
コンサートが行われていなかった東京ドームだった。
2001年1月のことである。

正式に解散を発表した2004年末には再び、ドームを会場にしたイベントを開催。
わたしはこの場に駆けつけることはできなかったし
このころにはかなり彼らから心が離れていたので
それほどの思い入れはなかったのだが
イエローモンキーとして最後にステージに立った4人は
JAMを演奏し、イエローモンキーに別れを告げた。
われわれにとってドームは、永遠にイエローモンキーを葬り去った場所になった。

年月はわだかまりを溶かし、ついに彼らは15年ぶりに復活した。
そして、ライブとしては17年ぶりのドーム公演が決まった。
発表されたのは、昨年末のこと。
つまり、この1年ずっと、この日を待ち望んできたわけで。

こっからはもう、ざっくばらんにライブの感想を。

カウントダウンで始まる方式はドーム公演でも。
これやっぱりすごく気分が高揚するのでいいな。好きだな。
遠征するなら同じだと思ってもちろん初日、最終日の2公演とも参加。
初日の高まりってのはやっぱり特別だね
誰もなんの情報もなくよーいどんで初めてってのは
この情報社会では、何よりもわくわくさせてくれる

初日はアリーナの、花道から2ブロックぐらい離れた場所の
ヒーセ側だったんだけども、背の低いわたしからは
花道やサブステージの感じがよく見えなくて
いまいちそのへんの位置がつかめないままだったのでちょっとつらかったけど

まさかあの卵の中から出てきて
サブステージで1曲めに
あのドームの締めくくりでやった犬小屋から始まるとはね
ライブハウス東京ドームへようこそ、ってか?
またひとつ、運命のタイマーが回り出した瞬間。

パールは相変わらず疾走感があり
ロザーナは、ライブでは初めてかな?
あれから結構頭をぐるぐる回ってるので
思いの外好きな曲だったみたい
久しぶりにやってくれる曲も嬉しいのはもちろん
復活してからの新曲も、すごく楽しみだし
ライブ映えするので、それも本当に嬉しい
それでこそ、復活した意味があるってもんだ

そして久しぶりで嬉しかった方の、嘆くなり我が夜のFantasy
I love you babyにサイキックNo.9、鉄板のSPARK
飛ばしすぎて疲れたなって思ってたところへ
イエローモンキーなりのシューゲイザー(とわたしは思ってる)
天国旅行
天国旅行は、音源ではあんまり頻繁に聞く事はしないんだけど
ライブだと本当にかっこいいんだよね
この曲ができたことによって、イエローモンキーの
ロックバンドとしての次元がひとつ押し上げられたって思ってるぐらいの名曲
そしてこの曲、やるたび、最新がいちばんいいんだからすごい
本当に気持ち良かった、グッドトリップできた

Starsも生で聴けるの最高!
この曲で、ようやく本当に、イエローモンキーのロビンになったなって
思えた感じがまたあったので。

それにしても、ドームなのにもうこんなに音響いいんだね
それがびっくりだった
わたしは休止前のドームは大阪公演しか行かなかったけど
やっぱりそのときはまだこんなに音良くなかったと記憶してるので
今回はそれが衝撃だったな

真珠色〜ではストリングスが!
ベタだけどスクリーンの演出が美しくてぐっときちゃう
はやめの時間のSuckはあっさりしててもやっぱりかっこいい
バラ色〜はすっかりわたしたちのテーマソングだね
太陽が燃えているでは、天井に太陽のマークが出ててきれいだったな

全体的な演出としては、大きな会場ならではで華やかだったね
ただ、寒い演出っぽいのは本人たちがわかっててやってるのか
それともこれがいいと思ってやってるのかがあやしいところだなあ、と
ちょっと思うところもあったり笑。

ロックスターからのMy winding roadは、テンションが爆あがりしちゃって大変!
まさかエマボルタ復活とは〜〜〜〜!!!!
今回はフライングVがぴかぴか!
以前は重いって言ってたけども
今はLEDでだいぶ軽量化されたんだろうか、なんて
年月の経過と技術の進歩にも思いを馳せてみたり。
四つ打ちディスコで踊るのは本当に楽しい!
大好きだった時代の大好きだった曲を今聴けるのって
なんて幸せなんだろうな〜〜〜

ラブショーでは、世界のおねえさんたち!
歩いて出てきたのにあまりに立ち姿がピシッとしててすごくて
マネキンかと見紛うぐらいのおねえさんがすてき!
演出は下品!笑
でもそういうのが大好きだから
イエローモンキーについてきたんだよねえ

プライマル。では、復活ツアーのときの幕が落ちる瞬間を
すっかり刷り込まれてしまってるので、あそこで泣いちゃうんだよなあ
オーライもボルテージをあげてくれるし
JAMは大きな会場をひとつに染め上げて包み込んでくれる

MCは少なくて、でもアルバムを作ってツアーをやりたいという
新たな目標を口にしてくれた
2日めは、また大きなこと言っちゃって
日本にいなかったようなバンドになっていきたい、と
本当に頼もしい人たちだな!

Horizonは、生で聞いたらどれだけ泣いちゃうんだろう
って楽しみにしてたのに、PVでがまんか〜…

SO YOUNGもあまり音源では聞かないんだけど
生だと最高によかったな
演奏も抜群にまとまってた

復活してからというもの、
復活ツアー4本、メカラのLV、FCツアー1本と
休止前に見たより多くのライブを見たんだけど
その1本1本、見るたび最新のライブが最高の状態を更新し続けていて
それが何より希望に満ちている

ストリングスとともにやる砂の塔、
特に2日めの吉井の声がとても良くて
でもこの曲難しい歌でもあるのでスリリングさもあって
なのでもうめっちゃ良かった
2日めの前半は正直
席が遠かったのもあって、吉井和哉の喉の調子が気になって
ちょっと集中できなかったところもあったんだけど
ちゃんと上り調子になっていってくれてよかった

BURNは、曲順によっては盛り上がる盛り上がらないがかなり違うなあ
この曲順はしっとりしちゃうかもなあ
そしてASIANで締め
あのバンド名の電飾が
いつも3段になっているところが、一列になっているのを見て
会場の広さをまた思い知る
いちばん上の階までいっぱいに詰まった客席は
みんなおなじみの振り付けをしていて
胸がいっぱいになった

曲数にすると復活ツアーと1曲少ないだけなんだけども
MCがあっさりしていたせいか、ドームという特別な公演で
2時間半だったので、若干の物足りなさも
もちろん内容は最高だったんだけどね
それだけまだまだ飢えているということ

実はライブのために東京遠征をしたのは
今回が初めてだった
東京を地盤としてきたイエローモンキーに
「東京〜!」と煽られて「イエー!!!!」と返すことが
高校時代からの夢だったんだなあ、なんて

もうちょっと「8」の曲(峠とか)をやったりして
リベンジ感というかオトシマエ感つけるのかなあ、なんて
うすぼんやり思ってもいたんだけど
もうそういうのはなくって
本当にお祭りみたいで
今の彼らには、そういうのはもうないんだな
必要ないんだな、と思った

来年はこれから、どんな姿を見せてくれるのかな

今年もこれだけ楽しませてもらって、本当にありがたかった

どうして福岡に行けないんだろう…

と残念な思いもしつつ
彼らに今年もありがとうと伝えたい
17年ぶりの、最高の祝祭をありがとう