ってことで、行ってまいりました。神戸国際会館こくさいホールにて、美輪明宏御大の『黒蜥蜴』観劇に。

美輪氏に興味を持ったのは、以前書いたようにイエモン吉井和哉に触発されたから。あとは、アングラなものが好きだったから。最近は、かなりTVにも頻繁に出演されてらっさるし、スジは通ってるかもしらんがさすがに全てに関して同意はしかねるので前ほど崇拝しているわけではなかった。正直、今回のお芝居も、どうなのかしら?と思っていましたけど。

わたくしめが間違っておりました。
やっぱりすごかったっす。

どうすごかったのかは後ほど語るとして、今日のお席はかんなりの上等。7列目で、会場のど真中。ものすごくよく見える。途中焚かれたお香の芳しい香りが、帰ってからも自分にうつっていたくらい。

で、そんな中、ガッチリと脇をセレブじみたおばちゃまたちにかためられてスタート。開始の合図も、客電の明滅というのがより芝居っ気を感じられてよい。
美輪さんの衣裳が、衣裳がー、すごいー、美しい!なんて荘厳な。そして、テレビで見るより全然スマートなんだなー。デコルテとか背中とかすごくキレイだし、テレビでは聞き取りにくい言葉も(失礼)セリフではちゃんと聞き取れるものなんだ。いろいろ誤解しとりました。すみませんでしたorz
ご令嬢役の女の子は声が高くてしんどいけれど、キャワイイな〜。上戸彩みたいな感じに見えた(あくまでも雰囲気)。そして潤ちゃん役の青年。うおー足なっげえ!股下90センチ?ありえねーほど白いパンツがよく似合う。なんか硬派な感じの人だ。あの、21世紀の裕次郎、みたいな人っぽい(あくまでも雰囲気)。んで、明智役の高嶋政宏。おおー男前なんだなー!(まるで著述業に適さない感想)。

まあ、見た目はそんな感じだ。この舞台は、黒蜥蜴という女賊がメインだから、彼女の変装が見せ場となっている。小説を読んでいる間は、魔法のように黒蜥蜴がいろんな人に姿を変え、わからないほどにそっくりになっているけれど、舞台ではさすがにそうはいかない。どれも美輪さんのお顔。でも、すごいのはそこではなくて、わずか2,3分ほどの間での早着替えってやつ。ドレスから着物へ、そして紳士的なトレンチ姿へ。また、衣裳だけでなく、舞台装置の転換もすごい。セットがものすごく綺麗なの。ロココ調ってやつか、アールデコってやつか、その方面にあかるくないわたしにはきちんとしたことは言えないけれどもそういう雰囲気の。それが素晴らしく細かく作られてるし、大胆に変わって行く。そりゃ金かかってるんだろうなあ(下世話の極致)。

そんなこんなで、開演が15時すぎ、カーテンコールまで全て終了して、会場から出たのが18時50分という長丁場だったけど、楽しめました。最後の、私設美術館のセットもすごかったし。最後にはすんげースタンディングオベーションになってました。もちろん、度重なるカーテンコールに感極まってわたしもその群集に混じって喝采を送りました。

で、結論。
映画は、DVDで見ればいいです。
映画に4回行くお金で、生身の人間が目の前でやるお芝居を見たいと思います。
やっぱり生はいい。力が違う。高校の頃から憧れだった、このお芝居を見られてよかった。これは、寺山修司にハマった頃に必至となった出来事だったと思うもん。もう運命だったんだな、こっち側に来ることは。
7月の近代能楽集も楽しみだっ!