わたしがピアノを習っていたのは、幼稚園に入る前くらいから小学校五年くらいまでだった。いわゆる「ニュータウン」と呼ばれるような場所の集合住宅に住んでいたのだけれど、すぐ階下にピアノを教える資格をもっている人が住んでいて(同級生のお母さんだった)、近所の子供たちに教えてくれるということで、市場価格よりかなり割安に、個人レッスンをしてもらっていた。
集合住宅だったし、ピアニストにするつもりなど毛頭なく、「とりあえずピアノくらいは弾ければいいんじゃない?」程度の親の要望だったので、電子ピアノを買った。当時の値段だと、50万近くくらいはしたらしい。おじいちゃんおばあちゃん、どうもありがとう。

小さい頃は練習もしていたけど、塾に通うようになって、練習もイヤになってきて、引越しすることが決まって、結局それっきりでやめてしまっていた。
サークルに入りたてのころ、キーボードをやったくらい。基礎は大方出来上がっていたので、大体のことはこなせた。
なぜか幼い頃から耳は良かったようで、(というかこれこそピアノの賜物かな)ある程度両手で弾けるようになってからは、流行歌に勝手にコードをつけて弾いていた。それこそ、音楽の先生の弾いてくれる伴奏なんかを大体覚えて、それに近い感じで、メロディーにあう左手の伴奏を考える。得意だったのは、「となりのトトロ」とかだった。勝手に弾いてて、結構ほめられたりもした。そういえば、「勇気ひとつを友にして」っていう歌が小4くらいの音楽会で課題曲になって、クラスの合唱の伴奏をしたような気もする。あれは頑張ったなあ。

今日発掘してきたのは「ハノン」とか「ソナチネ」みたいな練習のものが多かった。でも、小さい頃の発表会用のやつとかあって、弾いてみると思い出したりして、今日はセンチメンタル全開だった。
「荒野のバラ」というランゲの曲があって、すっごく練習したやつで、久々に楽譜を見ながらつるっと弾いてみたら、母がものすごく懐かしがってた。まったく思い出すことはなかったけれど、弾いてみると途端にすべて思い出したりして、音楽にまつわる記憶って不思議だな〜って思った。ブルグミュラーとか、ほとんど覚えてなかったけどね・・・。

今日はラプソディ・イン・ブルーを適当に弾いてみたけど、おんなじモチーフが形を変えて何度も出てくるので難しい。苦手だー。ドビュッシーアラベスクも頑張ってみたけど、やっぱり三連符と左手があわないんだよねえ。計算できないやつはピアノも弾けない・・・。